スプレッドシート管理の限界に向き合う。営業代行会社の成長を支えるCRM開発
事業が急成長する一方で、管理業務だけが創業当初のままになっていませんか。スプレッドシートを中心とした運用は、立ち上げ期には使いやすくても、業務量が増えるにつれて事務作業や管理コストの負担が大きくなることがあります。
今回ご紹介するのは、営業代行会社のCRM(顧客関係管理)システムを新規構築した事例です。Ouverは、他社で進行していた開発プロジェクトの現状分析から参画。その後、プロジェクトを引き継ぎ、要件定義と業務フローの見直しから設計・開発までを支援しました。
重視したのは、いまの管理方法をそのままシステムに移すことではありません。業務効率化と将来の事業拡大を見据え、管理の仕組みそのものを見直すことでした。
プロジェクト情報
- 業種:営業代行業
- 支援内容:CRMシステム新規開発・他社開発案件の引き継ぎ
- 開発期間:約8ヶ月(要件定義〜開発)
- 使用技術:Next.js、React、Node.js、TypeScript、AWS
1. 事業の成長に、管理の仕組みが追いつかない

お客様は、売上規模が急速に拡大している営業代行会社でした。一方で、社内の業務フローや管理方法は創業当初から大きく変わらず、スプレッドシートを中心とした運用が続いていました。
事業の成長とともに事務作業が増え、それに伴う人件費やBPO(外部への業務委託)費用も増加。売上を伸ばすだけでなく、管理業務にかかる負担をどう抑えるかが課題になっていました。
また、データ管理のルールや、情報の整合性を保つ仕組みも十分に整備されていませんでした。今後さらに事業が拡大した場合、現在の管理体制をそのまま続けることには限界があると懸念されていました。
必要だったのは、目の前の作業を処理するためのシステムだけではありません。業務の進め方やデータの扱い方を整理し、事業規模に合った管理体制へ移行するための土台づくりでした。
2. 開発の途中でも、目的に立ち返って見直す

当初、システム構築は別の開発会社によって進められていました。Ouverは、まずその開発会社とは独立した第三者の立場で参画し、開発状況や要件定義、設計内容を確認しました。
確認の軸としたのは、「この方針で、お客様が本来求めている業務改善につながるか」という点です。既存のスプレッドシートをそのままシステム上に置き換える方向性では、業務フローやデータ管理の課題が残る可能性がありました。
もちろん、現在の運用を再現すること自体が、いつも間違いというわけではありません。ただし今回の目的は、単なる管理ツールの変更ではなく、管理負担の軽減と成長への備えです。その目的に照らして、開発方針を見直す必要があると整理しました。
こうした現状分析とプロジェクト評価を経て、Ouverが開発を引き継ぐことになりました。既存の設計を前提として進めるのではなく、まず「何を解決するためのシステムか」を明確にすることから取り組みました。
3. 要件定義から業務フローを再設計

引き継ぎ後は、要件定義を改めて実施しました。要件定義とは、システムで実現したいことや、対応すべき業務・条件を整理する工程です。今回も、現状の業務内容と管理方法を整理するところから始めました。
そのうえで、「いま行っている作業を、どうシステム上に再現するか」ではなく、「どのように業務を変えれば、効率化につながるか」という観点で検討しました。画面や機能を考える前に、業務の進め方とシステムの役割を合わせて見直すためです。
既存の運用をそのまま移しただけでは、管理方法の複雑さやデータの扱いに関する課題まで引き継いでしまうおそれがあります。そこで、業務フローとシステム構成を一体で検討し、再整理した要件を設計・開発につなげました。
本案件で大切にしたのは、「システムをつくること」と「業務を改善すること」を切り離さない姿勢です。開発するものを決めるだけでなく、その仕組みが業務の中でどのような役割を担うのかを見直しました。
4. 将来の事業拡大を見据えた設計と開発
設計では、現在の業務量に対応するだけでなく、今後さらに事業規模が拡大することを前提に、データの整合性や管理方法を考慮しました。
目指したのは、事業が成長するたびに管理負担も同じように膨らむ状態を避けることです。業務の標準化とデータ管理体制の整備を進め、将来の拡大に対応できる業務基盤を設計する方針としました。
再整理した要件と業務フローに基づき、CRMシステムの開発を実施。Next.js、React、Node.js、TypeScriptを採用し、インフラ基盤にはAWSを使用しました。要件定義から開発までの期間は、約8ヶ月です。
技術を選ぶことだけでなく、事業の目的と日々の業務を、システムの設計につなげることを重視しました。
5. 業務の見直しから開発まで、一貫して支援

このプロジェクトの特徴は、スプレッドシートをWebシステムに置き換えるだけでなく、お客様の業務そのものを見直したことです。成長する事業に合った管理体制を、業務とシステムの両面から検討しました。
また、第三者としての現状分析から、開発方針の見直し、要件定義、設計、実装までを一貫して支援しました。進行中のプロジェクトを引き継ぐ際にも、既存の方針をそのまま受け継ぐのではなく、お客様の目的との整合性を確認することを大切にしています。
本案件では、管理コストの削減、業務効率化、将来の事業拡大への対応を目標として開発を進めました。システム開発を目的化せず、「何を解決したいのか」に立ち返ること。それが、今回の支援を通じて重視した考え方です。
業務の仕組みや、進行中のシステム開発でお悩みの方へ
「事業は伸びているのに、管理業務の負担も増えている」「スプレッドシート中心の運用を見直したい」「開発中のシステムが、解決したい課題に合っているか不安」。そのようなお悩みがあれば、Ouverへご相談ください。
システム開発やDXの第一歩として、現在の業務と課題を整理するところから。新規開発はもちろん、進行中の開発方針の見直しや引き継ぎについても、目的に合った進め方を一緒に検討します。