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Excel管理の限界とは?改善・SaaS導入・業務システム開発を選ぶ判断基準

Excelの書類に囲まれて悩む男性に、女性が改善・SaaS・システム開発などの道しるべを示すイラスト

この記事の要約

Excelでの管理に限界を感じたとき、選べる方法は「新しいシステムを作る」だけではありません。Excelを整えて続ける、市販のサービス(SaaS)を使う、今のシステムを直す、といった方法もあります。この記事では、限界のサインと、どの方法を選ぶかの判断基準を、実際の事例と費用・期間の目安とあわせて紹介します。

「Excelのファイルが増えすぎて、どれが最新か分からない」「同じ内容を何度も入力している」「担当者が休むと、誰も状況が分からない」。こうした声を、業務システムのご相談でよく伺います。

Ouverは業務システムの開発会社ですが、ご相談の結果、新しく作らない方がよいとお伝えすることもあります。この記事でも、システムを作ることを前提にせず、Excelを続ける方法も含めて比べていきます。

1. Excel管理の限界のサイン

まず、日々のファイル操作で次のようなことが起きていないかを確かめます。

  • 同じファイルを複数の人が同時に直せない
  • どれが最新のファイルか分からない
  • ファイルが重く、開くのに時間がかかる
  • 担当者しか中身が分からない
  • 別のファイルやシステムへの転記が多い

ただ、より大きなサインは、経営の数字や判断に表れます。

Googleスプレッドシートでも同じです。同時に編集できても、管理のルールやデータのつながりが整っていなければ、同じ問題が起きます。

2. まず、今の業務を書き出す

方法を選ぶ前に、今の業務を書き出します。全部を調べる必要はありません。次の3つを確かめるだけでも、どこを直せばよいかが見えてきます。

  • 同じ情報を、どこに何回入力しているか
  • 必要な情報が、特定の担当者の手元にしかない状態になっていないか
  • ある業務で登録した情報を、次の業務でも使えているか

すでに何かのシステムを使っている場合は、「システムが担っている範囲」と「Excelで補っている範囲」を分けて書き出します。

転記の作業が多い場合は、転記を1つ選び、「何の情報を」「どこからどこへ」「何をきっかけに」「月に何件、いつまでに」「訂正やキャンセルのとき誰が直すか」を書き出すと、必要な仕組みを絞り込めます。

3. 選択肢を比べる

方法

向いているとき

向かないとき

費用の考え方

① Excelを整えて続ける

使う人が少なく、ルールを決めれば回る

複数の人が同時に使う、件数が多い

主に社内の作業時間

② 市販のサービス(SaaS)

業務が一般的で、サービスの標準の使い方に合わせられる

自社独自の項目や流れが多い

月額の利用料+設定や移行の作業

③ ノーコードツール

社内に作って直せる人がいる

作った人しか直せない状態になりやすい

月額の利用料+作り込みの時間

④ 小さな自動化・一部だけつなぐ

転記など、特定の作業だけが重い

業務全体の流れを変えたい

GASやマクロなら10万〜50万円ほど

⑤ 業務システムを開発する

複数の部署の情報をつなぎたい、業務に合う市販品がない

業務のやり方がまだ固まっていない

300万〜1,500万円ほど(規模により上回ることも)

⑥ 今のシステムを直して使い続ける

今のシステムで業務の大部分が回っている

古い技術で直す人がいない

調査のうえで、直す範囲ごとに見積もり

④⑤の費用は、Ouverのこれまでの案件をもとにした目安です(税別)。

大切なのは、1つに決めつけないことです。⑤の業務システムを作る場合でも、一部の作業はExcelのまま残す、という組み合わせもあります。

4. SaaSを入れたのに使われないとき

市販のサービスを契約したのに、現場で使われない。これもよくあるご相談です。

ある廃品回収会社では、サービスを契約したものの、今の業務とどこまで合うのか、入らない情報をどう扱うのかが決まらず、使われないまま利用料だけが発生していました事例SaaSを導入したのに使われない。廃品回収会社の業務整理・運用設計を支援した事例。

このとき、Ouverは次の3つに分けて整理しました。

  • サービスの標準の機能で対応できる業務
  • 仕事の進め方を変えれば対応できる部分
  • 必要だが、別の方法で補う情報

ここで大事なのは、今のExcelの項目をすべて移すことを前提にしないことです。項目をそのまま移すと、複雑な運用もそのまま残ってしまいます。

5. 見積もってから「作らない」と決めることもある

システム化を考え始めたら、全部作るしかない、というわけではありません。

約15年使ってきた在庫・売上管理システムを引き継いだ卸・メーカーの会社では、Excelで補っていた業務をシステムに入れることを検討しました。必要な機能と費用を出して効果と比べたところ、すべてをシステムにするには大きな費用がかかることが分かりました。

そこで全面的なシステム化は見送り、今のシステムの改善を優先しました。その結果、受注履歴100件の表示にかかっていた時間が、約10分から約30秒になりました事例受注履歴100件の表示が約10分から約30秒に|九州の卸・メーカー・EC販売企業のシステム保守引き継ぎ事例。

費用と効果を比べたうえで、作らない判断をするのも、立派な選択です。

6. 開発を選ぶなら:期間と費用、進め方

業務システムを開発する場合、これまでの事例では、要件定義から開発まで約4〜8か月かかっています。

事例

期間

会員管理システムの刷新事例を読む

約4か月

在庫・受発注管理システムの再構築事例を読む

約6か月

産業廃棄物処理会社の業務システム事例を読む

約6か月

営業代行会社の顧客管理システム事例を読む

約8か月

費用の目安は、複数の人が使う業務システムで300万〜1,500万円ほど(税別)です。Excelの管理から移る場合、費用は次のようなことで変わります。

  • Excelのファイルやシートの数、項目の多さ
  • 使う人の数と、部署の数
  • ほかのシステムとの連携
  • 今のデータの移し替え
  • 処理の複雑さ

何を作るかがまだはっきりしない場合は、先に業務の調査や要件の整理だけを契約し、その結果をもとに開発の見積もりを出す進め方もあります。

7. 移行でつまずかないために

8. 歴史のある会社で、長年のやり方を変えるとき

「昔からこの帳票だから」「このやり方で回ってきたから」。長く続いている会社ほど、やり方を変えることへの不安は大きくなります。

創業約40〜50年の産業廃棄物処理会社の事例では、以前に市販のサービスを入れようとしたとき、必要な情報が入らず運用に困るとして、現場から反発がありました。

そこで今回は、経営陣との要件定義と、現場の代表との要件定義を両方行い、双方の了承を得ながら進めました。新しい仕組みを入れる理由とメリットも先に説明したことで、「便利になるなら」と納得していただけました。

約6か月で業務システムを開発し、使い始めてから次のように変わりました事例営業担当者ごとのExcel管理と二重入力を解消|老舗の産業廃棄物処理会社の業務システム開発事例。

  • 営業の現場:日報の入力の手間が減り、次に動く案件がはっきりした。案件の量と売上が見えるようになり、評価が実績に沿ったものになった
  • 事務:二重入力が減って作業時間が大きく減り、見積書や報告書の作成も簡単になった。担当者しか分からない仕事がなくなり、誰かが休んでも引き継ぎやすくなった。空いている車両と人がすぐ分かるので、問い合わせに早く正確に答えられるようになった

お客様からは、「使い始めは慣れるまで大変だったが、慣れてしまえばとても楽になった」というお話を伺っています。

帳票やルールが「昔からそうだから」という理由で残っている場合は、それ自体を見直せないかも、あわせて確かめてみてください。

9. 判断のためのチェックリスト

  • □ 同じ情報を、何か所に入力しているか書き出した
  • □ 担当者の手元にしかない情報を洗い出した
  • □ 困っているのが「特定の作業」か「業務全体の流れ」かを分けた
  • □ Excelを整える・市販のサービス・小さな自動化・開発・今のシステムを直す、を比べた
  • □ 移す情報と、移さない情報を分けた
  • □ 経営側と現場の両方の意見を聞いた
  • □ 費用と効果を比べ、「作らない」選択肢も残した

Excel管理の見直しをご相談ください

Ouverでは、今の業務とExcelの使い方を伺うところから、ご相談を受けています。ご相談は3回程度まで無料が目安です。仕様書や、何を作るかが決まっていなくても大丈夫です。

現場の社員の方へのヒアリングと、業務の見える化から始めたい場合は、DXコンサルティングとして無料で始めることもできます。

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